こんにちは、しじみです。 SNSで読了ポストをいくつか見かけて、「あ、これ絶対私が好きなやつだ!」と直感して購入した一冊。 その直感、大正解でした。 ただ怖いだけじゃない。読み終わった後、すぐに誰かの解釈を知りたくて検索したくなる…。そんな「謎」と「毒」に満ちた短編集でした。
作品情報
📝 あらすじ
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。 優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
不穏な空気が、たまらなく好みでした。
私にとって初めての短編集でした。「次の話はどんな展開になるんだろう?」とワクワクしながらページをめくりました。 物語が進むにつれて、だんだんと漂ってくる「不穏な感じ」。美しいお屋敷や丁寧な言葉遣いの中に、少しずつ混ざり込んでくる違和感がたまりません。このぞわぞわする雰囲気が、とても好みでした。
読了後は「感想探し」の旅に出たくなる。
この本、ラストに“謎”が残る話もあって、読み終わるたびに「え、今のどういうこと!?」ってなって、いろんな人の感想や解釈を探しに行きました。
自分では気づかなかった伏線にハッとしたり、解釈の違いで見え方が変わったりして、二度おいしかった!
「正解」がはっきり書かれていないからこそ、読後に誰かと語り合いたくなる面白さがありました。
予想しても、軽々と「上」を行かれる快感。
自分なりに「きっとこういう仕掛けかな?」「ラストはこうなるのかな?」と展開を予想しながら読んだのですが、この本はその予想を見事に裏切ってくれました。想像の斜め上を行くラストの切れ味が鋭すぎて、読み終わった後に「…ほぉぉ。」と、呆然としてしまうほどでした。
『玉野五十鈴の誉れ』に、感情を揺さぶられて。
収録されている5編の中で、特に印象に残ったのが『玉野五十鈴の誉れ』です。 このお話は、ただ怖いだけじゃなかった。読んでいて涙があふれそうになったり、ゾクッとしたりと、感情が激しく揺さぶられました。一番感情移入して楽しめたエピソードです。
まとめ:甘美で残酷な世界へようこそ。
短編集なのでサクサク読めますが、読後の余韻(考察の沼)は長編並みです。 「優雅な世界観の裏にある毒を味わいたい」「美しい文章で背筋を凍らせたい」、そんな気分の時にぴったりの一冊でした。

